■ Photo* ■  笑顔で戦えるのか*

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    JUGEMテーマ:スポーツ
     

    ここ数日は爽やかな季節。
    だけど、この日は熱中症寸前だった。
    河川敷でのスポーツ大会。
    僕はカメラマン。
    戦う人々を撮る。
    僕も必然的に戦うことになる。

    戦を終えて。高架線の下で一服。


    ■ ■ ■
     

    直射日光を避けて
    微風をいっぱいにあびる。
    原っぱで寝そべって
    ふかす一服は最高だ。

    フリスビーをする人たち。
    ああ、こんなに大変なスポーツなんだって思った。
    どういうルールかは分らなかった。
    顔は真剣だったから、遊びじゃないことは分った。



    河川敷の細い道を黙々と走るランナー。
    自転車。
    こんなに暑いのに、よく頑張るな。
    何のためにどこに向かうのか?




    自分の走塁ミスでチェンジになって
    守りに付いた彼は涙を流していた。
    悔しいのか。申し訳ないと思っているのか。
    子供の気持ちは大人と違って複雑なのかもしれない。

    「負けと決まった訳じゃないから、泣くなー」と声援。
    更に彼の頬を涙を伝って
    とうとう嗚咽となった。
    試合は一時中断

    皆集まって。肩を叩く。
    キミは一人じゃない。
    僕はその姿を撮るのを止めた。




    痩身の女性が倒れるように僕の前の陰に座った。
    太ももをたたき。靴紐を結びなおし。
    さて、走るか、とすくっと立ち上がる。
    遠くを見渡す。
    走っている時には見えなかった美しい緑と川の流れが目に入ったのだろう。
    しばらく、背伸びをして、深呼吸をしながら景色を眺めているようだった。

    再び道に目を向け、サングラスを掛けて
    彼女は疾走していく。
    どこに向かうのか?



    朝は5時起き。歳を取るとこれだから困る。
    TVをつけたら、いきなり「「澤」が画面いっぱい。
    おー。そうか。今日は彼女たちの決戦か。
    後半戦途中。
    10分くらいして、日本は勝つだろうなと思った。
    それは日本選手の動きを見たのではなく
    相手国の選手の顔を見て分った。

    その後、お互い点を取り合って、ご存知のとおりPKで悲願を達成させた。
    感動的で素晴らしい、しかもクリーンな試合だった。

    感慨深いことがいくつかった。
    相手国の表情だった。
    痛いほど彼女たちの気持ちが分る。
    この気持ちは以前僕が記事にした悲しい思い出に似ている。(→→ご覧あれ

    追われる立場の顔だった。
    日本は追う立場のイケイケ、ゴーゴー的な表情だった。
    嬉しくて笑顔がこぼれる。
    相手国はひょっとしたら戦う前から負けていたのかもしれない。
    自身の経験からそう思った。

    監督がインタビューで応えた内容。正確な内容じゃないかもしれないけど
    「オリンピックで4位だった。その時はわれわれは4位を目指していた。他の上位3位の国は1位を目指していた」

    これは相当頷けた。これも以前、フィギュアのヨナvs真央の記事を書いた。(→→ご覧あれ
    彼女たちは今回は優勝を目指していた。厳しいのは分っていたと思うが、1番を目指していた。
    そうでなければ、「運」もやってこない。「運」は強気で、意思を持った人にしか神は与えない。

    そして、PK。
    監督の笑顔というより、笑った顔が印象的だった。
    悪い意味ではない。選手も笑顔じゃなく笑っていた。
    勝てる、そう思った。
    後で、監督が「同点でPKなんて、超ラッキーで笑いが止まらなかった」と。
    正直な監督だ。

    僕はある意味納得した。その笑顔、「そうなら」勝てるし、納得もできる。



    いつの頃からだろうか。
    プロアマ問わず、インタビューの際に選手の口から
    「楽しんできます」
    という言葉が出るようになった。

    記憶するにノルディックの荻原選手あたりからだった思う。
    TVでノルディックの世界選手権の前夜祭で一番前に立って、他国の選手を盛り上げていた。
    新世代選手、と言われていたと思う。

    僕はこの「楽しんできます」という言葉に異常に反感を持っている。
    すみません。これは僕の個人的な思いです。

    国旗を背負っているのに、「楽しむ」とは何事だ!と。
    勿論、そう言いたい気持ちは分る。
    多分、「緊張」をほぐすためなんだろう。
    その気持ちは分る。
    ただ、僕ら日本人は楽しむことが下手な人種だと思う。
    これはアジア全体に言えると思う。

    僕らのDNAはどういう時に最高潮に達するか。
    それは古典的だけど「気合」と「根性」しかないと思っている。

    気合と根性で緊張を和らげるのではなく、自分の能力以上のものを出させる。

    様々な選手が「楽しむ」という言葉を使うようになった。
    欧米の選手が言う「Enjoy」するとは違うような気がしている。

    ただ、彼女たちがボールを蹴る姿をみると
    明らかに楽しんでいた。
    緊張をほぐすため、というより、ボール蹴るの好きですって叫びながら蹴ってた。
    ああ、これかーと思った。

    これから彼女たちは追われる立場になる。
    さて、彼女たちは笑顔のままでいられるか?
    楽しみだ。

    仕事も人生もあらゆることも。
    同じことで。
    僕はずっと勝ち負けの世界にいたけど。
    仕事に勝ち負けなんかないんだと。
    人生も勝ち負けじゃないんだと。

    なんか、彼女たちの笑顔を見ると
    いっしょに走りたくなってきた。

    楽しむか。
    悪くないかもね。
    逃げてるのかな。
    どうなんだろうね。

    何でも楽しまないと。
    好きなことして生きていこ。